Apes 凡論

文章練習をオフラインでやるより、公開していこうと思い立ち始めました。なので、感想、ご指摘など遠慮なく。

文章練習7 この先について

生まれた頃にはソ連ベルリンの壁も既になく、
9.11、イラン・イラク戦争が起きたときも、物心なんてあったか無かったか。
東日本大震災だって、関西に住んでいた僕にとってはどこか遠い国のお話のように思えた。
社会科、とりわけ歴史が大好きだった僕はどこか心の中で教科書に載るような歴史的出来事と、自分の人生がふっと重なり合うのを望んでいたのかもしれない。
ポッカリと空いた歴史の狭間で、失われた20年と呼ばれる時代と共に歳を重ね、大学を辞めた後もモラトリアムに囚われて、社会の扉を叩きあぐねいている中で、あまりにも突然訪れたコロナウイルス
こんなちっぽけな目に見えない存在がここまで大きく社会を揺るがすなんて、思いもしなかった。

常に抱え込んできた競争社会に対する疑問符、大量消費・大量生産社会に対する違和感。
適応できなかった、学校という名の資本主義訓練校。

この先に対する漠然とした不安と期待が、桜が散ると同時に僕の中で芽生えた。