Apes 凡論

文章練習をオフラインでやるより、公開していこうと思い立ち始めました。なので、感想、ご指摘など遠慮なく。

表現練習1

京福電鉄、通称「嵐電」の愛称で有名なそのワンマン列車は西側の終点である「嵐山駅」に到着した。
茶色を基調とし、淑女の首飾りのような落ち着いた銀枠の紋様が、車両の窓枠の上下部分を彩るように描かれている。どこか明治〜大正期を想起させるレトロモダンなデザインだ。
車両上部に取り付けられた行先標に目をやると、既に東側の終点である「四条大宮」と表示されていた。
下側に取りつけられた赤い丸々としたランプが両端に取り付けられ、その赤ランプの左側には「映画村」と書かれ、すげ笠をかぶり、かちん太と命名されたマスコットキャラのカラスが丸い形をした看板に、けだるい目をしながら右手をあげて描かれている。右側に目をやると、楕円形をしたこれもまたレトロな色合いの金枠に、背景は黒色で、金枠と同色で27と数字が中に書かれている。これは車体番号であろうか。
その車両を観察しているうちに発車時刻が訪れて、東へ続く真っ直ぐな線路の上をゆっくりと電車は走りだした。だんだんと電車は遠くへ行けば行くほど、小さく小さくなって、いつの間にか私の視界から消えていった。再び誰かを乗せ、ここ嵐山へと誘うのであろう。